ABC検診は、ヘリコバクターピロリ抗体価とペプシノーゲン法の組み合わせによって胃の健康度をチェックする血液検査です。ピロリ菌は萎縮性胃炎、胃潰瘍・十二指腸潰瘍、胃がんなどの原因となる細菌で、高齢者では70%以上もの人が感染しているといわれています。感染者のうち胃潰瘍・十二指腸潰瘍発症は2~3%、胃がん発症は0.4%といわれていますが、胃がんから見るとピロリ菌感染は最大のリスク要因です。現在、診断や除菌は以下の人は健康保険の対象です。①内視鏡検査または造影検査で胃潰瘍または十二指腸潰瘍と診断された患者さん、②胃MALTリンパ腫の患者さん、③特発性血小板減少性紫斑病の患者さん、④早期胃がんに対する内視鏡的治療後の患者さん、⑤内視鏡検査で胃炎と診断された患者さん、該当する人は主治医とよく相談してください。
一方、定期的に胃内視鏡検査を受けていない人、内視鏡検査が苦手な人などはピロリ菌感染の有無を確認しておいた方がいいと思います。検査は保険外(自費)になりますが、胃リスクABC分類検査を一度してみてはいかがでしょうか。資料は院内に備えています。検査希望の人はお申し出ください。