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ジェネリック医薬品

(2012/05/31)

 ジェネリック医薬品  
 新しい薬(新薬)が開発されて発売され10年近く経つと薬効(薬の効果)が同等の薬が発売されます。新薬を先発品、後で発売された薬をジェネリック医薬品(後発品)と呼びます。ジェネリック医薬品は薬の開発費がかかっていないため、先発品に比べ薬価(薬の値段)もかなり安くなります(多くは先発品の70%位の薬価です)。

 薬の名前には一般名と商品名があります。例えば一般名テオフィリンには、テオドール(先発品)があり、アーデフィリンやテオロングなど多くの後発品があります。また一般名クラリスロマイシンの先発品としてはクラリス、クラリシッドがあります。これらの薬は一般名と商品名が何となく似ていますね。でも抗生物質フロモックス(商品名)の一般名は塩酸セフカペンピボキシルと舌を噛みそうな名称です。尚、クラリス、クラリシッドは販売メーカーが異なるため商品名が違いますが全く同じ薬です。喘息治療薬シングレアとキプレスも同様です(現在のところ後発品なし)。

 厚生労働省は数年前から、医療費抑制のためジェネリック医薬品を積極的に処方するよう働きかけています。日本は諸外国に比べジェネリック医薬品の使用頻度もかなり少ないことも事実です。平成22年の改定では、医院からの院外処方が先発品でも後発品への変更不可のチェックがない場合は、調剤薬局で患者さんからの同意を得た上で後発品へ変更することが可能になりました。平成24年の改定ではさらに進んで、医院に対して一般名での処方を推奨するようになりました。平成22年は医院の処方箋に後発品への変更すべて不可という欄がありましたが、今回は変更不可薬については一つ一つチェックをしなければならなくなりました。一般処方の場合、患者さんは調剤薬局で先発品と後発品の説明を受けた上でいずれかを選択してもらうことになります。長期処方では多くの場合、薬局での支払い金額はかなり安くなります。尚、お薬手帳には実際に処方された薬が商品名で記載されます。 

 ジェネリックメーカーが作る薬はすべて良質でしょうか?実はジェネリックメーカーは、先発品を販売している大手製薬メーカーとは比較にならないほど多く存在します。従って流通や品質に問題がないとはいえないメーカーもあるようです。テレビCMをしている沢井製薬や東和薬品などの大手ジェネリックメーカーは株式も上場しています。また小児科領域の薬でも先発品に比べ味が良いため使いやすい後発品もあります。色や味が違うため別の薬と思われてしまうこともあるようですが・・・。当院ではこれまで薬効が確かで服用しやすい後発品を中心に処方してきました。

 6月からムコダイン(一般名カルボシステイン)を一般名で処方します。具体的にはムコダインシロップ、ドライシロップ、錠の処方がカルボシステインシロップなどと処方箋に記載されます。調剤薬局ではムコダイン(先発品)と後発品のどちらかを選んでもらうことになります。ムコダインの後発品については効果や味などに問題がないことを確認済みです。数日の処方では患者さんの負担額にさほどの違いはないと思われます。また今までの経験や専門医による講演などから、軟膏やローション、ホクナリンテープについては先発品と後発品に明らかな差がみられるようなので、処方箋には「後発品への変更不可」にチェックをします。
疑問なことについては遠慮なくお尋ねください。

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