当院ではアレルギー診療に力を入れています。アレルギー疾患とは、気管支喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、蕁麻疹、食物アレルギー、薬物アレルギー(薬疹)、金属アレルギーなどです。
診断や治療のためには検査は欠かせません。院内で行っている検査は以下のようです。
1)皮膚テスト(スクラッチテスト、プリックテスト)
食物アレルギーでは血液検査(IgE)よりも先に陽性になることが多いといわれています。特に乳児期では最初に行われるスクリーニング検査です。検査試薬がな い食物については、直接疑われる食物を用いて行うアズイズプリックテストを行います。また予防接種ワクチン液に対してアレルギーが疑われる場合も行ないます。薬疹の即時型反応も検査対象です。
2)パッチテスト
アレルギー性接触皮膚炎(遅発型アレルギー)の原因検索のための検査です。薬疹(遅発型反応)、金属アレルギーなどが検査対象です。検査は一般的には、背中に原因物質を48時間直接貼付して、除去後1時間、除去1日後(検査開始3日)、除去5日後(検査開始7日)の合計3回判定します。
3)鼻汁中好酸球
アレルギー性鼻炎や花粉症が検査対象です。鼻汁中のアレルギー細胞を検出するための検査です。鼻汁は薬包紙やサランラップでかませたものが適しています。綿棒で擦過した検体は細胞が壊れやすいといわれています。
4)食物アレルギー負荷試験
3歳~9歳未満が検査対象です。食物を実際に食べてみて症状が出現するか(原因抗原の特定)、除去食を解除できるか(耐性獲得の確認)のために行いますが、多くは後者の目的で行っています。例えば卵アレルギーでは、ゆで卵1個分を持参してもらい、60分間に数回に分けて摂取してもらい、最終摂取後60分間(合計120分間)院内で観察をした上で判定を行います。事前によく相談し合意書に署名をしてもらった上での検査になります。
5)ピークフロメーター
簡易呼吸機能検査で、気管支喘息の自己管理、治療効果の確認、薬物減量時の適否などに役立ちます。5,6歳以上で検査可能です。自宅で毎日行い記録をしてもらいます。
6)スパイロメーター
肺機能を詳しく知るための検査です。気管支喘息や閉塞性肺疾患(COPD)の診断や重症度判定に有用です。当院では他に禁煙外来で治療開始前や治療終了後(禁煙成功後)にも行って禁煙の重要性を話しています。この検査では肺年令も計算できます。
※エピペン(アナフィラキシー補助治療薬)
蜂毒、食物及び薬物などによるアナフィラキシー反応に対する補助治療薬です。過去にアナフィラキシーを起こしたことのある人やアナフィラキシー発現の危険性の高い人が対象です。エピペンの有効期限は約1年です。また事前に使用のための十分な指導が必要です。