病気について

日本脳炎ワクチン接種について

(2010/01/01)

 日本脳炎ワクチン接種について 

 平成17年5月30日、厚生労働省が勧奨接種の一時中止を出したため、接種が中断されたまま接種年令を過ぎてしまった人も多いと思います。日本脳炎ワクチンは1期初回2回(一般的には3歳から開始し2~4週後に2回目接種)、1期追加(初回接種後概ね1年後、11~13カ月後)までの接種期限が生後90月未満(7歳6カ月未満)となっています。その後2期接種を9歳以上13才未満に行い、合計4回接種になります(3期接種は廃止されています)。

 平成21年6月新製法によるワクチン(新ワクチン)が発売されました。現在、新ワクチンは1期にのみ使用できるが2期には使用できないことになっています。秋田市保健所が6月に出した通達では、「従来のワクチン(旧ワクチン)を1期初回接種済みの者に、初回の2回目や1期追加にも新ワクチンは使用できない」とされていますが明らかな間違いです。

 従来ワクチン(旧ワクチン)の使用期限が平成22年3月ですべて切れます。従ってその後(3月?、4月?)は新ワクチンが2期にも使えるようになるはずです。その時にどのように対処すればいいかを考えてみましょう。

 接種年令が最も重要です。1期、2期それぞれの接種年令が過ぎていると定期接種(無料)として秋田市は認めてくれません。接種回数は全体として4回が原則ですが、1期を2回しか接種していないまま90月を過ぎてしまった場合は1回を任意接種(自費扱い)で行うことになります。日本脳炎は発病すると有効な治療法がなく予防接種だけが唯一有効な手段であるので接種したほうがいいと思います。しかし一方では発病者は極めて少なく、年間数例で西日本での発生で東北北海道での発生はありません。そのようなことも考えると、合計4回の接種が理想ですが少なくとも合計3回の接種でよしとしてもやむを得ないと思います。不活化ワクチンですので2回で終わりにしてしまうよりも3回接種の方が明らかに効果的です。主な例を示しますので、母子手帳で過去の接種記録と現在の年令から選択肢を確認してください。新ワクチンが2期にも使用できるようになったら正式にお知らせします。また旧ワクチンは3月頃までは同意書に署名をしてもらった上で使用することも可能です。

(1)1期初回(2回)を接種し、追加接種をしていない人   
  1)生後90月未満の人  
    新ワクチンで追加接種、9歳以降に2期を接種する(合計4回すべて定期接種)。   

  2)生後90月~9歳未満の人 
    ①9歳以降に2期を定期接種として行う(合計3回接種)。
    ②追加接種を任意(自費)接種で行い、9歳以降に2期を定期接種として行う(合計4回接種)。 

  3)9歳以上の人
    ①2期(定期接種)として1回行う(合計3回接種)。
    ②2期(定期接種)として1回、およそ1年後に任意接種として1回行う(合計4回接種)。   

(2)これから接種を開始するが1期追加が生後90月を過ぎてしまう場合 
  (開始年令がおよそ6歳半以上の場合)
    ①1期初回(2回)を定期接種で行い、9歳以降に2期を定期接種として行う(合計3回)。
    ②1期初回(2回)を定期接種、追加接種を任意(自費)で行い、9歳以降(追加接種からおよそ1年後)に2期を定期接種として行う(合計4回)。

(3)1期初回1回のみ接種している人 
  1)生後90月未満の人  
    初回2回目、追加をおよそ1カ月間隔で接種し、9歳以降に2期を接種する(合計4回すべて定期接種)。   
  2)生後90月以上の人 
    ①接種をやめる(9歳以降に2期として2回目の接種をしても意味がないため)
    ②任意(自費)接種で2回(およそ1カ月間隔で)行い、9歳以降に2期を定期接種として行う(合計4回)。  

(1)の2)3)、(2)の人が多いと思います。それぞれ②が理想ですが、自己負担が発生しない①で構わないと思いますので、ぜひ合計3回の接種をしてください。
上記に該当しない人や疑問な点については遠慮なくお尋ねください。               

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